2005年6月13日月曜日

良心に反する仕事

先日の北海道新聞夕刊、今日の話題(田辺勉さん)の「良心より社命」という素晴らしいコラムを読んだ。内容を要約すると、今春の新入社員への調査結果について暗い気持ちになったという話だ。
日本能率協会が約900人に質問したところ、上司から良心に反する仕事を指示された場合、
「会社の利益につながるのであれば行う」 15.8%
「恐らく行う」             48.8%
と合計で3分の2近くも上回っていたというのだ。以下コラムを紹介すると、

未来を担う若者が学校を出た途端に正義感を置き去りにし、汚れに染まっていくのははりきれないし、とても健全な社会とは思えない。その先に何があるのか。「命令に従う人生はきわめて安らかな生活である。物事を考える必要を最小限に減らすことができる」−ナチス親衛隊のアドルフ・アイヒマンは、こう称して約600万人に及ぶユダヤ人虐殺に携わった・・・・・・・中略・・・・新人も上司も、法遵守を徹底するとともに、命令服従の風土を変えていってほしい。
と結んでいる。

三菱自動車やJR西日本などCSR(企業の社会的責任)の必要性が論じられているが、最近100円ショップを代表とする価格破壊の商品が横行する時代において、顧客満足という名を借りて、何でもありということが現実ではないのだろうか。一日でも長く継続する消費者社会を持続していくためは、商品購入と同時に企業がコンプライアンス(法遵守)を行っているかも確認する必要がある。グリーン購入の考え方である。グリーン購入会議の理事会でメンバーの方々から、実はコンプライアンスは海外生産が最も深刻である、との話を聞いた。安く調達、生産するために不法労働(未成年者の就労や、過酷な労働時間、低賃金、様々な化学物質...)が蔓延しているというのだ。

中小企業がCSRやコンプライアンス(法遵守)に取組むことは、かなり負担が大きい。しかし、負担が大きいから、見逃して現実から避けようとするのでは、いつまでたっても中小企業から脱却できない。当社もできることから少しずつ取り組んでいきたい。




20050613日(旧楽天のブログサイトより転記したものです)

0 件のコメント:

主催者や参加者の満足度を上げるために 「なぜSDGsの視点が必要なのか?」(上)

MICE JAPAN2月号 に寄稿しました 長文ですがお読み頂ければ幸いです 株式会社プリプレス・センター 代表取締役 藤田靖 (グリーン購入ネットワーク代表理事 他) 近年SDGsの普及とともにMICEにおいてもサステナビリティが叫ばれるようになりました。この度は紙面をお借りし...