一方で、宛名職人や筆王、筆まめなど書店やコンビニエンスストアで販売される年賀状作成ソフトは、3年連続で減少し年120万本ほどの出荷となっていま す。これらのソフトを購入する消費者は、1)リピータが多い2)毎年買い換えない 3)パソコンを使いこなしている などの特徴があります。
肝心の日本全体のパソコン販売台数(2005年4月)は対前月比35.8%減,販売金額は同36.0%減という形で個人情報保護法の影響でセキュリティ を装備したパソコンの発売を待って買い控えが生じ、売り上げ減をもろに受ける形となった。しかし、前年同月との比較では,台数が6.8%増,販売金額は 4.4%減という数字であるから、パソコンは、着実に普及しており、車の保有台数のように一人複数所有することが今後も予想され、成長する市場として考え られる。
それら市場を背景に、年賀状作成ソフトも減少の傾向こそあれ、着実に普及しつつある。しかしながら、年賀状ソフトを利用する最大の魅力は、住所管理が手 軽にできることにあり、干支を自由にデザインできるレイアウトなどの機能は必ずしも、消費者全員が利用しているわけではない。つまり、住所管理だけであれ ば毎年購入する必要性が薄れ、市場自体もわずかではあるが減少傾向になっているように思える。
・コンビニやスーパーでの動き
価格等は据え置くお店が多い中で、サービスを個別に充実させる工夫が見られる。納期を短縮し、「お急ぎ仕上げ」を有料(追加料金)で対応するケースや複 数割引、インターネットから申し込んだときの割引などがあるが、最近で目立つケースがイオンなど大型量販店で行われる「特急仕上げ」である。ショッピング センターで買い物をしているわずか数時間に、出来上がるこのサービスは顧客満足度が高く、売り上げも通常より割増しとなる。しかし、付加価値は高いものの 平日の売り上げが少なく、人件費を固定化した場合、土日だけで商売になるかどうかは不透明である。しかし、オンデマンド印刷のメリットを生かしたこれらの サービスは、従来型の在庫出荷型の印刷方式では実現できないため、今後注目が必要な市場である。また、55ショップの倒産など写真業界の落ち込みが今後も 続くと見られ、店頭での付加価値をいかにつけるかが大きな鍵となる。
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つづく(日本印刷新聞7月号への寄稿分より)
(次回は、インターネット上のサービスについて)
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