本日は、北海道グリーン購入ネットワークの総会が開催された。総会終了後、一般社団法人 more trees 水谷 伸吉さんから約1時間講演を頂いた。
内容は以下の通り。
○日本の森林の現状
国土の2/3が森林。先進国でこの比率が保たれているのは、日本だけ。4割が杉、ヒノキなどの人工林。つまり25%が人工林として国土の1/4を占める。しかし、日本の森はピンチ。コストが安い輸入材が国内の林業に大きな打撃を与える。間伐がすすまず、放置された森林が増加。そのため1960年以降、下降しはじめ、20%強しか国内自給に回っていない。
○モリトリーズとは?
坂本龍一が中心となって活動を2007年7月に開始。国内外での森づくりによるカーボンオフセットのほか、保水力や生物多様性など森の持つ機能の回復を目指している。
- 定量化されたクレジットによって、カーボンオフセットを推進する
- 地域社会、地域経済にメリットのある森づくりをめざします
- 生物多様性に配慮した森作りを目指す
○カーボンオフセットとは?
削減しきれない、排出されたカーボン(二酸化炭素)を植林やグリーン電力などでオフセット(相殺)することをいいます。この仕組みは、1997年にイギリスで生まれた。世界のVER市場は急激に拡大している。2009年7月現在で、事例は600件を超えている。
○オフセット商品への消費者の関心
アンケートからは、「オフセットの結果、支払ったお金の使途やその成果への関心が高いこと」が判明。消費者にとって納得でき、ラリティのある活動になるかどうかがカギ。
→理解しやすいストーリー展開と適切な情報公開が必要。また、好感を持てる取り組みなることが重要。
○日本の森林とオフセットの関連
管理された森林を増やさないと京都議定書で約束した3.8%に到達できない。そこで、J-VERをうまく活用していく。現在登録されているプロジェクトは26件。総量は約15,000トン。うち認証14件。
○moretreesのオフセット事例
①全日空のカーボンオフセットプログラム
携帯からカード決済で国内線全線に対し、オフセットが可能。
②音楽イベントでのオフセット
坂本龍一のコンサートや音楽イベントでの負荷をオフセット
③エンヤの森作り
1リクエストにつき1坪の間伐を推進。70トンの間伐が実現。
④CDのオフセット
範囲はディスクやジャケットの製造~輸送~廃棄のプロセス。
これまで30タイトル以上のオフセットを手掛ける。
○都市と森とのつながり
Moretreesの願いは、森(山村)を活性化させること。そのためにも、森に継続的に資金がいき届くことが大切だと考えています。カーボンオフセットは、森に資金を循環させるための手段であって、目的ではありません。
○グリーン購入法とカーボンオフセット
平成22年2月の閣議決定の前文において
「温室効果ガス削減のための新たな取り組みであるカーボンオフセット認証ラベル、カーボンフットプリントマークを参考とするなど、出来る限り環境負荷の低減に資する物品等の調達に努めることとする。」と盛り込まれた。
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