重たいタイトルですねえ。社員のために、そして会社の発展のために本当に頑張らなくては。
下記は手打ちで記事を転載します。
日経トップリーダー 5月号 より
編集長の直言
編集長 高柳 正盛
社員は、経営者に命を預けている。今こそ「攻め」の経営の姿勢を見せよう
私の古くからの友人に、東日本大震災で被災した経営者がいます。地震発生後しばらくは連絡が取れず、心配していたのですが、その後、電話で無事を確認することが出来ました。そのとき、彼とこんなやり取りをしました。
「俺は初めて社員の前で泣いたよ。この先、会社がどうなるかも分からないのに、皆『会社に残る、社長と再建する』と言ってくれるんだ」
「経営者の一番の仕事は従業員の命を守ることだろう。『避難しろ』と言うのが、おまえの役割じゃないのか」
「もちろん言ったさ。でも、聞かないんだ。『社長こそ奥さんと子供をすぐに避難させてください。俺たちは残ります。だって、社長は一人では何も出来ないでしょう』なんて、泣かせることを言うんだ。ろくに挨拶もできないくせに・・・」
誰が言い出したわけでもないのに社員が会社に集まってきて「しゃあない」と片付けや掃除を始めた。そんな話をしているうちに、彼は感極まりました。「泣いている場合じゃなあないぞ。従業員のために頑張れ」。そう言って私は電話を切りました。その会社は避難区域等にはなく、安全も確保されていました。友人の声を聞いて少し安心したと同時に、彼は部下に信頼される経営者になったのだと胸がいっぱいになりました。というのも、気持ちは優しいけれど、経営者として押しが弱いという印象を抱いていたからです。
話がうまいわけではなく、強烈なリーダーシップを発揮するタイプでもない。雇用条件も大企業に比べれば劣ります。それでもなぜ従業員がついてくるのかと尋ねると、「頻繁に飲んで、励ましてきただけ」と言います。もちろんそれだけではないでしょうが、個性的とは言えない彼が「あなたの命を預けます」という部下に囲まれているのは紛れもない事実なのです。
話を聞いて思いました。経営者が従業員を雇うということは、従業員が自らの命を経営者に売っていることでもあると。感情的な結び付きがすべてとは言いませんが、彼と従業員の関係は「契約」という一言では説明し切れないもので成立しているのです。
命を預けてくれる部下がいる―――。泣きたいほどつらいこともあるけれど、彼らのために奮闘しよう。リーダーであるあなたが「攻め」の姿勢を見せることこそが、復活への第一歩なのかもしれません。
また、42ページからは
今、経営者がすべきこと
・「攻めるための備え」で東日本大震災の悪影響に勝つ
・生産活動-節電より事業のあり方を考える
・資金繰り-とにかく手元に現金を残す
が記事として掲載されている。
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