観光庁が昨年度発足して以来、MICEが脚光を浴びている。そのMICE産業で構成されるのがこの組織だ。(MICEとは、Meeting,Incentive,Congress&Convention,Event&Exhibition)私も若輩ながら理事を拝命した。
今回の会場となったのは、ユニークべニューとして選ばれた自由学園明日館。あの帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトの作品だ。ユニークべニューとは、直訳すると「ユニークな場所」。コンベンションなどを開催するにあたり、会場選定の際本来の施設の目的とは異なる場所選びのことを指す。例えば、美術館のロビーでの宴会だったり、お城の天守閣、博物館や市役所のロビー、相撲の国技館だったり。札幌でいえば、大倉山でジャンプを見ながらカクテルパーティーというようなイベントで外国人向けに演出している。
写真は、明日館の外観。場所は池袋から徒歩10分と近い。
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戦災を逃れた美しい木材建築のフォルムは、長時間の会議でも心地よい。
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ケータリングの食事も、アクリル板の上に演出されたデザートがお洒落だ。
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明日館について、サイトより引用。
自由学園明日館(みょうにちかん)は、1921年(大正10)、羽仁吉一、もと子夫妻が創立した自由学園の校舎として、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設されました。
明日館建設にあたり羽仁夫妻にライトを推薦したのは遠藤新。帝国ホテル設計のため来日していたライトの助手を勤めていた遠藤は、友人でもある羽仁夫妻をライトに引きあわせました。夫妻の目指す教育理念に共鳴したライトは、「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」という夫妻の希いを基調とし、自由学園を設計しました。
空間を連続させて一体構造とする設計は、枠組壁式構法(2×4構法)の先駆けとの見方もあります。木造で漆喰塗の建物は、中央棟を中心に、左右に伸びた東教室棟、西教室棟を厳密なシンメトリーに配しており、ライトの第一期黄金時代の作風にみられる、高さを抑えた、地を這うような佇まいを特徴としています。プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれるそれは、彼の出身地・ウィスコンシンの大草原から着想を得たもので、池袋の界隈に開放的な空間を演出しています。道路を隔てた南西には、300人収容できる遠藤新設計の講堂がならび、重要文化財・自由学園明日館は構成されています。
1934年(昭和9)に自由学園が南沢(東久留米市)に移転してからは、明日館は主として卒業生の事業活動に利用されてきました。その後、明日館の歴史的、芸術的価値が評価され、1997年(平成9)5月、国の重要文化財指定を受けました。関東大震災や第二次世界大戦の空襲からも免れた明日館でしたが、 80年の歳月のなかで老朽化が顕著になったため、1999年(平成11)3月から2001年(平成13)9月まで保存修理工事が行われ、同年11月に再開業いたしました。
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