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2011年11月28日月曜日

国際観光コンベンションフォーラム2011in 富士

11月8日より静岡県富士市で国際観光コンベンションフォーラム2011in 富士が始まった。
日本コンベンション研究会主催による第5回目の開催である。

参加者100名あまりのMICE関係者により、富士市文化会館ロゼシアターにて2日間にわたるMICEづくしの内容であった。


特別講演は、TVチャンピオンで優勝した前田金三郎商店の前田社長による「やっぱり、すばらしきにほん茶」というタイトルで静岡の数々のお茶の素晴らしさについてお話をいただく。つづいて基調講演は、「観光・MICEビジネスの課題と展望」と題して原先生にお話しをいただく。
原先生の肩書きがすごく、
<原 忠之>
博士
セントラルフロリダ大学ローゼン・ホスピタリテイ経営学部副学部長・准教授、
早稲田大学国際教養学部&商学部学術院客員准教授(兼任)、
コーネルクオータリー誌編集委員
とある。先生のお話は、簡潔で、わかりやすく、問題点が的確で、学術的な視点からの様々なご報告を頂いたことで
かつてない、素晴らしい啓発を受けました。セールス発想から、マーケティング思考へシフトが必要であるという理論話はいままで、何度も何度も聞いていますが、今回ほど啓発された話はなかったように思えます。

続いて、渡辺厚さんのコーディネーターによる、韓国駐在のJNTOのイムさん、APリンクの菊地社長、MPI Japan会長の東條さんによるパネルディスカッション。韓国、シンガポール、そしてアジアのグローバル化した各国の取り組みと、日本のMICE振興対策の遅れと実情についての厳しいご指摘と報告があり、我々関係者として危機感を一層感じることになりました。
このパネルディスカッションの最後には、仙台観光コンベンション協会の武藤さんに飛入りで参加してもらい、震災後の仙台の状況説明と次回開催地候補としてのPRをしていただきました。
14時から18時過ぎまで、連続で行われたセミナー。
内容が濃く、MICEに対する本当に充実した時間を感じた今回でした。
普段だと長時間でかなり疲れたり、中だるみがあるのですが連続の素晴らしい内容で少々興奮気味の一日でした。

参考までに日本コンベンション研究会の概要を転記。



日本コンベンション研究会は、日本各地でコンベンション創造に関わる産学官の人士や、地域を拠点としてコンベンション創造を進めるさまざまな組織が連携する、全国的な研究組織です。

日本コンベンション研究会の3つの理念

研究会は、次の3つの理念に立脚します。
  1. 地域にコンベンション等の主体、担い手を確立し、地域の利益と幸福に寄与する、地域主体の理念に立ちます。
  2. 環境に配慮するとともに、地域における共働を生み出し、地域の持続可能性を確立する理念に立ちます。
  3. 従来の枠組みにとどまらないコンベンション創造により、21世紀の新しい価値創造をめざす理念に立ちます。

日本コンベンション研究会の5つの柱

日本コンベンション研究会は、下記の5つの柱で活動を進めます。
  1. コンベンションに関する理論、技術、人材の育成
    全国の研究者や担い手による研究活動を強化し、コンベンションに関する理論、技術の高度化を図り、知識の共有を進め、人材の育成を行います。
  2. サステナブルなコンベンションの研究
    低炭素社会時代における持続可能なコンベンションが今、世界的なトレンドになりつつある中で、環境負荷が少なく付加価値の高いコンベンションの研究を行います。
  3. 地域コーディネート機能の強化
    地域における創造的活動のために、コーディネート機能を強化し、地域の主体形成を進めます
  4. 地域組織の全国的連携の促進
    地方・地域における担い手組織等の全国的な連携によって、相互に学び、経験を共有し、発信力を強化します。
  5. 国際的コンベンション組織との連携
    国際的組織との連携を促進し、グローバルな研究、活動の展開を進めます。

具体的な活動テーマ

  1. 21世紀型のコンベンション創造
  2. コンベンションにおける産学官の連携
  3. 環境に配慮したコンベンション創造
  4. コンベンションにおける地域資源の可視化と利用の促進
  5. コンベンション創造にかかわる地域コーディネーターの育成
  6. 「国際観光コンベンションフォーラム」、総会、その他研究会等の開催
  7. コンベンション関連アワードの実施
  8. 世界的なコンベンションの動向を調査し、海外で取組む団体との交流



1 件のコメント:

Tadayuki (Tad) Hara さんのコメント...

藤田さま、
ゴーグルによりこちらにたどり着きました。貴重なコメント有難うございました。

今回の日本コンベンション研究会の会議は皆様のプレゼンやご意見、とても面白かったです。 皆様のご発言で出たように、世界のMICE、そして世界のMICE学術研究という観点で日本の観光系の学術会を見ると、実は江戸幕府末期のような「世界の状況見たくない、知りたくない、知れば自己の相対的劣後がわかって不快だから」という状況にあるという客観的な事実が存在します。 世界の学術研究者が一体何本、学術論文を英語で発表しているか、という研究は実は年に一回程度各国の研究者から発表されていますが、日本勢は世界の観光系学会では「壊滅状態」です。韓国、台湾、香港の学者に圧倒的に負けています。(世界の学術研究モデルを理解し、その世界ルールで世界と競争できる観光科学系研究者が居られる大学も少数在りますが、...悲しい状況です。)

MICE分野も観光学も、定量的な、つまり世界の定番であるデータを集めて、それを統計解析し、仮説を検定するという「科学」の枠組みで世界で勝負するという、そこから、「顧客満足は企業収益に直結しない。より重要な要素は再来訪意図だ」「ミーテイングプランナーは各会議の開催地を決定するに際し、ある要因をより重視する」というような仮説が証明されます。 

わたくしのいる学部は、全米で約180ある観光・ホスピタリテイ系学部学科のある大学で唯一、MICEの学士号が取得できる大学ですが、世界中から視察団が来ます。中国上海からはMICEを教える新学部の設立直前に教員全員が研修に来訪しました。韓国からはMICE学科の生徒全員(30名強)が夏に集中講義を受けに6週間、来訪します。

今回、会議でもご指摘があったように、韓国、中国、香港、シンガポール等、アジア近隣諸国との比較でも、米国から見ると、日本相当出遅れているというのがよく見えるのですが、それを複数の実務会の方々が指摘したという点、意義深いと思います。 日本は潜在力は間違いなくあります。また今回の会議でも確認出来たように、実務会と観光庁の方々は世界の実態を俯瞰して、相対的な問題点を理解しておられる方々が相当に多くなっています。

しかし日本の観光産業なりMICE分野の潜在力を顕在化させるには、体系的・戦略的な人材育成を高等教育で仕掛けないといけません。 世界に勝負する学部経営モデルとしては、研究分野で世界の論文をきちんと読んで且つ世界に向かって英語で発信している研究系教員(世界の研究状況や実務会の課題が見えている)と、実務会で指導的役割を果たした教育系教員(世界の実務会の実情が見えている)というインフラが必要になりますが、アジア他国や世界と比較して、前者があまりに少ないが故に、日本から英文論文研究がほとんど出てこないということになっているように見えます。

但し、日本の特性として、事前勉強には若干時間がかかるが、一旦決断して自己変革を仕掛けると、強烈な効率性で世界に追い付ける(そして追い越せる!)という資質があると思いますので(例:明治維新)、この会議に来られた皆様が主導して変革を仕掛ければよろしいかと思います。

有難うございました。
はら ただゆき