2010年11月15日月曜日

中国の脅威、印刷業界にも影響の可能性。インキ価格改定の背景。

日本印刷新聞という業界紙の11月1日号に興味深い記事が掲載されていた。タイトルは、
なぜ、今この時期に?
-インキ価格改定の背景を探る-
要旨をまとめると、
今秋インキの値上げが相次いでいる。平成17年頃も値上げがありその際は、世界規模での原油高騰が影響したためだ。しかし現在はどうか?ガソリン価格は安定し、原油価格もさほど上昇していないし、円高が続いている。
その理由はインキの成分にある。インキの15%ほどの成分にロジンと呼ばれる「松やに」材料が大きな要因だ。松の木の幹に傷を付け、滲み出てくる松やにを採取し、それをろ過・精製して作られる。一本の松の木から採取できるロジンは、年間3-4kg程度。また、松を植林してすぐに採取できるわけではなく、育成に10年かかる。それから、わずか10年間だけが松やにの採取期間となるらしい。松の成長は数十年なので、若い成長期時代の副産物となる。また、採取は手作業による労働なので過酷かつ、重労働となる。

このロンジン価格が高騰している理由は、2点らしい。
・原産国事情による供給減少と他産業の需要確保競争
中国が世界の8割のシェアを持つ。 続いて、インドネシア、ベトナム、ブラジル、アルゼンチンなどだ。国内産はゼロなので、中国の輸入に多くを依存している。中国は、2007年度80万トン以上を生産していたが、2009年度は、55万tまで減少している。これは、主な生産地・広東省などを中心にした植林地が、松よりも成長の早い、製紙会社向けのユーカリ(3-5年で成長)などが人気があるためだ。

・松やに採取の労働コスト上昇
中国の好景気による現地人件費の上昇が大きく影響してるらしい。


我々印刷業界は、紙とインクなくして製造は不可能である。
その原材料を大きく中国に依存していること自体、見直す必要があると感じる。

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